人見知りでもCRCになれる?CRCに必要な“コミュニケーション能力”について考えてみた

この記事を書いた人】ナナコ 1978年生まれ。元看護師で現在はCRC歴7年目の現役CRC。看護師の仕事が肌に合わず、2010年に思い切ってCRCへ転職!CRCの仕事が楽しくて人生が変わった一人。この仕事を広めるために活動中!⇨詳しいプロフィールはこちら

みなさん、こんにちは。管理人のナナコです。

先日、読者さんから「私は少し人見知りするタイプなんですが、CRC(治験コーディネーター)になってもやっていけるでしょうか?」というご質問をいただきました。

CRCの仕事に興味を持ってくださっている人なら、色んなところで「CRCには高いコミュニケーション能力が必要」と書かれているのを目にして、同じような疑問を抱えてらっしゃる人も多いのではないでしょうか。

この質問に対する、私なりの回答は「はい!大丈夫です。人見知りさんでもCRCとしてやっていけます!」です。

ある調査によると、日本人の90%近くの人が、程度の違いはあるものの自分を“人見知り”だと思っているんですって。

でも決して『人見知りさん=コミュニケーション能力が低い』というわけではありません。

ここでは「なぜCRCには高いコミュニケーション能力が必要って言われているのか?」「『高いコミュニケーション能力』の定義が曖昧すぎる!CRCには具体的にどんなことが求められるの?」という点について解説していきたいと思います。

CRCに「高いコミュニケーション能力」が必要と言われる理由

このサイトでは、CRCに必要な3つの素質のページの中で、CRCに必要な素質のまずはじめに“高いコミュニケーション能力”を挙げています。

また、3000名以上CRCが会員となっている日本SMO協会のホームページでも、CRCに求められるものという記事の中で「CRCは医学的知識はもちろんのこと、被験者の方、実施医療機関のスタッフ、治験依頼者との高いコミュニケーション能力が必要になります。」と書かれています。

CRCの仕事を一言でいうと、治験が円滑に進むよう、治験依頼者(製薬会社)、医師、被験者、コメディカルスタッフなど複数の関係者の都合を調整すること。

相手の都合や置かれた状況を確認した上で、こちらの要望も伝えなければなりません。

分かりやすいように例を挙げてみますね。

<例1>

例えば、A先生の外来は週1回の水曜日だけなのに、たまたま被験者さんの都合でその週の水曜日は来院できない。けれど、治験実施計画書(プロトコール)では一週間以内に来院することが決められているとします。

その場合、CRCは

⑴被験者さんに治験優先で都合を調整していただき、なんとか水曜日に来てもらう
⑵A先生に、水曜以外の曜日で診察をしてもえるようお願いする
⑶治験分担医師のB先生に代わりに診察してもらう(もちろん、A先生と被験者さんの了承も得て)

などの解決策を考え、どの方法が最も現実的で、関係者の納得と協力が得られるかを調整します。

<例2>

例えばある試験で「採血→心電図→採血」という流れが決められていて、しかも、一回目の採血と心電図、そして二回目の採血の間隔は『5分以内』というルールがあったりします。

しかし病院では、治験以外の一般の患者さんも、たくさん検査待ちをしています。
そんな状況で、このような治験のルールを守って被験者さんの検査をしようとしたら、専用のお部屋を確保し、専属の検査技師さんについていただかないと無理だと考えられます。
そんなときCRCは

⑴検査部でそのようなお部屋と人員の確保をしてもらえるか?
⑵何曜日の何時頃だったら可能という指定があれば、その間に被験者さんに来ていただくことは可能か?そしてその曜日に医師に診察をしてもらうことは可能か?
⑶検査部で対応できる範囲はどこまでで、できない範囲を誰か別の人(例えば医師や看護師など)にお願いできないか?

といったことを考えて調整します。

このようにCRCは、プロトコールの規定に沿って被験者さんの来院、検査、診察を実施できるように、被験者さんや医師、病院のコメディカルスタッフの都合を調整することが仕事。

みんなにできる限りこちらの要望を聞いてもらえるよう、依頼の仕方を工夫したり、無理なお願いでも受け入れてもらいやすいように普段から信頼関係を築いたりといった『高いコミュニケーション能力』が必要なのです。

CRCに求められている『高いコミュニケーション能力』とは具体的にこんなこと

「でも『高いコミュニケーション能力』って言われても、なんだかボヤッとしてて分かんない」

というあなたのために、それが一体どんなものなのかを具体的に考えてみましょう。

私が考えるCRCの“高いコミュニケーション能力”とは次の4つ。

  • 気遣いの一言が添えられる人
  • 相手が言おうとすることを正確に理解すること
  • 相手の必要を満たすため、相手に合わせて柔軟な対応ができること
  • 言葉のキャッチボールが普通にできること

それでは、一つずつ見ていきます。

気遣いの一言が添えられる人

CRCにとっては治験が「仕事の全て」ですが、病院にとっては『患者さんを診察・治療をすること』が本来の仕事であり、治験はあくまでも「付属の仕事」でしかありません。
(日本に数えるほどしかありませんが、「治験を専門にした病院」というのもあります。ここではその話は割愛します)

ですから、忙しい通常診療の合間に治験に協力してくださる医師、検査技師、看護師などの病院スタッフには「いつもありがとうございます」「助かります」「お忙しいのにすみません」など、常に気遣いの一言を添えることが大事です。

コメディカルの立場から考えると、忙しい通常業務の合間に付属の仕事である治験の業務が発生するわけですから、「はぁ、、、もう今はやめて欲しいわ」と感じてしまうこともあるはずです。

そんな時CRCが「お忙しいのにすみません。いつもありがとうございます^^」などの気遣いの言葉を添えるだけで、相手の気持ちは随分と変わってくることは分かりますよね。

相手が言おうとすることを正確に理解すること

これはCRCとモニターさんとの間で注意していただきたいことです。

CRCは、治験実施計画書(プロトコール)を正確に理解したうえで仕事をしなければなりませんが、プロトコールには難しいこと、複数の意味に理解できてしまう曖昧なこと、一概には判断できないような悩ましいことなど、CRCを悩ませるようなポイントがいくつも含まれていることが普通です。

そういった判断しずらい点について、CRCはモニターさんに確認します。

その際、モニターさんから頂いた回答を正確に理解できないと、円滑に治験を進めることはできませんし、プロトコールからの逸脱などトラブルの元にもなってしまいます。

なので、相手が言おうとすることを正確に理解することはとても大切なんですね。

相手の必要を満たすため、相手に合わせて柔軟な対応ができること

SMOのCRCは、小さなクリニックから大きな大学病院まで、治験を実施している様々な施設に派遣されるわけですが、その全てが治験に協力的なわけではありません。

治験に協力的でやりやすいところもあれば、医師とコメディカルが対立していて全然協力してもらえずに困っちゃう施設もあります。

また医師の中にも優しい人、厳しい人、クセのある人など様々なタイプの先生がいます。先生のタイプが違えば、例えばA先生に適した接し方とB先生に適した接し方も異なるのは当たり前。

CRCはこのような相手の違いに合わせて、相手の必要を満たしてあげられるよう、柔軟に対応することが必要です。

周囲のCRCを見ていると、「私のやり方はこれだ!」みたいな強いポリシーを持っているCRCほど、あまり長くは続かない印象を受けます。

病院もいろいろ、医師もいろいろ、被験者さんもいろいろ。

だから、相手に合わせていろんな対応の引き出しを持っているCRCの方が長続きしますし、『調整役のプロ』って気がします。

言葉のキャッチボールが普通にできること

これは簡単に想像できますよね。

CRCは医師やモニター、そして被験者さんと言葉のキャッチボールがうまくできることが必要です。

昔知り合ったCRCさんで、旦那さんの転勤の都合で九州から東北地方に転居した人がいらっしゃいました。

その人の話で面白かったのが、「高齢の被験者さんは方言が強くて、何を話しているか分からない、、、」と。

年齢が若い病院スタッフとのコミュニケーションはなんとかなったものの、高齢の被験者さんとは“言葉のキャッチボール”がうまくいかない、、、と悩んでいました。笑

それでも、相手の言おうとすることを理解したい!という気持ちで聞いていると、なんとかなるものです。

また、この“言葉のキャッチボール”にはもう一つ深い意味も含まれています。

それは、医師とのキャッチボールです。

CRCは自分が得意な疾患の治験だけを担当するわけではなく、全く知らない分野の疾患も担当します。そんな時は、疾患を理解するために一から勉強しなくてはいけません。

疾患の理解が不足していると、候補患者さんについて医師に相談した時などに医師とのコミュニケーションがチグハグになってしまうことがあります。

その疾患の専門である医師との言葉のキャッチボールを円滑にするためには、一生懸命勉強して疾患を理解することが欠かせませんし、自分が分からないことは「それってどういうことですか?」と尋ねてみる勇気も必要です。

やたらと“明るい”性格、人見知りせずにガンガンいけちゃう性格がいいわけじゃない

「高いコミュニケーション能力」と聞くと、

  • 人見知りせず初対面の人ともすぐに打ち解けられる性格
  • 周囲を笑わせられる明るい性格
  • 位が高い人に対しても、怖気(おじけ)ずかず堂々と対話できる能力

などの外向的な性格のことと思われるかもしれませんが、CRCという職種にとっては決してそんなことはないと私は思います。

こういうガンガンいけちゃうタイプの人は、思慮深い思考で相手の気持ちを察したり、ゆっくりと傾聴することが苦手だったりするからです。

(健康な人を対象とする第Ⅰ相試験などの特別な治験を除き)被験者さんはなんらかの病気を患っているわけですから、相手の不安を傾聴し、心を落ち着かせて癒してあげられるような性格のCRCの方が向いている場面だってたくさんあると思うんです。

また、CRCの仕事は人と接する仕事だけでなく、約半分は書類を扱うデスクワークです。

細かなデータを、間違うことなく正確に扱うのは、人見知りさんに多い“内向的な性格の人”の方が向いていたりもします。

内向的な人は、落ち着いて仕事に集中することに長けていますし、入力したデータを何度も確認するなど、丁寧に仕事をすることも得意だから。

まとめ

さて、このようにCRCには「高いコミュニケーション能力が必要」とよく耳にしますが、それは決して外向的な性格でなくてはならないと言っているわけではありません。

相手の気持ちを組む、思慮深い思考、落ち着いた傾聴、そして正確な書類仕事といった面では、どちらかと言えば、人見知りの要素をもつ内向的な性格の人の方がいいのではないかと私は思います。

CRCにとっての高いコミュニケーション能力を、私なりにまとめると次の4つ。

  • 気遣いの一言が添えられる人
  • 相手が言おうとすることを正確に理解すること
  • 相手の必要を満たすため、相手に合わせて柔軟な対応ができること
  • 言葉のキャッチボールが普通にできること

「私は人見知りだけど大丈夫かな・・・?」と思っているそこのあなた!
そんなに不安がらず、興味があればぜひCRCを目指してみてくださいね。

CRCへ転職するか、迷ってる?

CRCの仕事に興味を持っているものの、まだ決めかねている・・・という人も多いのではないでしょうか。

あなたが一番気になっているポイントはどこでしょうか?

  • お給料
  • 将来性
  • 自分がやっていけるかどうか?
  • そもそも就職できるのか?

などなど、いろいろありそうですね。

CRCになるための『三大医療資格』は看護師・薬剤師・臨床検査技師です。

あなたがすでにこれらの資格をもっていれば、CRCへの転職はそんなに難しいものではありません^^♪
こちらの記事に、CRCになる方法を詳しくまとめましたので、ぜひご覧ください。

>>SMOのCRCになる方法をわかりやすく解説!>>

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