【CRC心の格言】CRCたるもの、心を強く持て!〜CRCの不適切行為から学ぶ〜

CRCたるもの心を強く持て!

この記事を書いた人】ナナコ 1978年生まれ。元看護師で現在はCRC歴8年目の現役CRC。看護師の仕事が肌に合わず、2010年に思い切ってCRCへ転職!CRCの仕事が楽しくて人生が変わった一人。この仕事を広めるために活動中!⇨詳しいプロフィールはこちら

みなさんこんにちは。管理人のナナコです。

今日は、先日報道された、とあるSMOに所属するCRC(治験コーディネーター)の不適切行為についてご紹介し、みなさんに『CRCたるもの心を強く持て!』という鉄則をお伝えしたいと思います。

CRCの不適切行為〜検査実施日の改ざん〜

2017年9月20日の薬事日報という新聞に、あるSMOに所属するCRCの不適切行為が掲載されました。

薬事日報とは、株式会社薬事日報社が販売する新聞。毎週月・水・金曜日発行。1943年創刊。薬事に関する情報を扱う。

その内容は

『治験の規定された来院(規定来院)で検査をしなければいけなかったのに、それを忘れてしまったため、担当CRCの独断で、後日、検査を実施した。しかし、それを元々の規定来院の日に実施したかのように、「検査日」を改ざんして伝票に書いて提出した。』

というものです。

その病院に勤めるスタッフが、検査伝票に実際と異なる日が書かれていたのを不審に思い、問い合わせたことがきっかけで発覚しました。

薬事日報20170920

なぜ担当CRCは、そのようなことをしてしまったのか?

その担当CRCは、なぜ勝手にそのようなことをしてしまったのでしょうか?正直に、実際に検査した日を書くことはできなかったのでしょうか?

その理由は「治験実施計画書(プロトコール)からの逸脱」という状況を免れるため。この一言に尽きるでしょう。

CRCの役割(仕事)は、GCPとプロトコールで定められた手順を守り、治験を円滑、かつ安全に遂行できるよう、関係者や関係部署の調整をすることです。こちらの記事でも紹介している通り、『プロトコールからの逸脱=CRCの責任』とされることがほとんどなため、CRCは逸脱を起こさないよう、細心の注意を払います。

でも本来、この「逸脱防止のための細心の注意」は、担当CRCが一人だけでするものではないんですよ。試験の担当モニターや医師、CRCが所属しているSMOの会社もBACK UPし、みんなで防いでいくものです。

しかし、その医療機関で試験を遂行する段取りを、実際、一人または二人程度のCRCが担当している限り、やはり、「CRCの責任は重い」と言わざるを得ません。

CRCは、そんな責任の重さと戦いながら、ある時は一人で、またある時は同僚CRCと助け合い協力しあって、日々の仕事を全うしているのです。

こんなにこの仕事が好きな私でさえ、この責任の重さを苦しく感じ、胃が痛くなってしまうこともあります。

逸脱を起こしてしまったら、「謝罪、反省、改善の努力」しかない。

でも、どんなに細心の注意を払って試験の段取りをしても、時には逸脱はおこってしまいます。

  • 200ページ以上もあるプロトコールのごく一部の記載を見落としていた
  • プロトコールに書かれている記載を勘違いして認識していた
  • 被験者さん自身が間違ってやってしまった
  • 病院の職員に正しく伝わっていなかった

など。
このような理由から、予期せぬ逸脱が発生してしまうことは、実際、たくさんあります。

もうこれは、人間だから仕方ない。細心の注意を払っても、起きてしまったことに対しては、私たちCRCを責めないで!って思います。

こんな風に開き直ると、いろんなところからお叱りの言葉を受けそうですが(笑)

でも、やっぱり、どうしようもないこともある。私はそう思います。
逸脱が起こってしまったら、もう、私たちCRCにできることは「謝罪、反省、改善の努力」しかありません

CRCは、逸脱が起こらないよう細心の注意は払うけれど、どうしても防げなかった逸脱に対しては、「謝罪・反省・改善の努力」を誠心誠意、実行する。これが“CRCのあるべき姿”ですし、逆に、私たちCRCに、これ以外にできることはありません。

「改ざん」するより「謝罪」したほうが、気分はずっと楽になる。

今現在CRCとして活躍している人、そしてこれからCRCになろうという人に言えるのは、自分が逸脱を起こしてしまった時、「改ざん」するより「謝罪」したほうが、気分はずっと楽になる。ということです。

改ざんは「罪」です。度を越せば、罰金刑になったり逮捕されたりという社会的制裁を受けることになる「罪」です。

一方、謝罪は「謝罪」です。ゴメンなさい。反省してます。という気持ちを表すこと。社会的制裁を受けるような「罪」ではありません。

「逸脱を起こしてしまいました。すみません。」と言って、逸脱が発生した経緯と、その予防策をまとめた「逸脱報告書」を提出する。その「逸脱報告書」が上司をはじめ、自分の会社全体に一斉配信され、一時的には「(自慢できない)有名人」になり、吊るし上げられたような嫌な気分を感じるでしょう。

(※会社全体に配信されるときには、個人の名前は特定されないようになりますが)

しかし、時間と共にその「嫌な気分」は消えていきます。正直に逸脱を告白し、謝罪することができた「心の強い自分」を誇りに思うようになるでしょう。

一方は「罪」で、もう一方は「誇り」になるのです。これはもう、「謝罪」の方がずっといいじゃないですか!

CRCたるもの、心を強く持て!

なんだかこんなことを書くと、CRCになるのが怖くなってしまう人も出てくるかもしれませんね(笑)でも、社会人になると、どんな職業であっても「責任」は発生しますし、「改ざん」は罪になります。

私は元看護師ですが、CRCの仕事は、看護師ほど「人の命に直結する仕事」ではないので、看護師時代よりずっと「責任の重さ」からは解放されました。
医師なんて、もっともっと責任が重いですよね。どこかの飲食店に勤める人だって、安全な食べ物を提供しなければならない責任を常に負っています。

自分がCRCの仕事をやっていて、予期せぬ逸脱を起こしてしまった時、確かに一瞬、ショックで心が締め付けられます。
この逸脱が嘘であって欲しい、「実は逸脱じゃなかった・・・!」という良い展開が起こって欲しい!と、強く願います。

でも、やっぱり起こってしまったら、もうそれは、どうやっても仕方ない。腹をくくり、一時的に“吊るし上げられる”ような嫌な気分を感じることを覚悟して、正直に「謝罪・反省・改善の努力」をするしかないんです。

そして、そのような冷静な対処をするためには、感情に流されない「強い心」が必要だと、常々感じます。

CRCは、素晴らしい仕事です。自由も多いし、楽しいこともいっぱいある。医療の進歩に貢献できる。特に女性にとって働きやすい職業です。

だから「逸脱」を恐れてCRCにならない、CRCを辞めるというのはおすすめできないし、そんな道を選んでいたら、今後、どんな職業でもやっていけません。

みなさん!逸脱を起こしちゃってもいいじゃないですか!
CRCだって人間だもん。
逸脱を起こしちゃうことだってあります!
それは、みんな同じなんです!(もちろん、逸脱予防のために最善は尽くしますけどね)

「改ざん」は絶対にダメです!
私たちCRCは、いつ、なんどきも「謝罪」を選択しましょう!

CRCたるもの、心を強く持て!

CRCへ転職するか、迷ってる?

CRCの仕事に興味を持っているものの、まだ決めかねている・・・という人も多いのではないでしょうか。

あなたが一番気になっているポイントはどこでしょうか?

  • お給料
  • 将来性
  • 自分がやっていけるかどうか?
  • そもそも就職できるのか?

などなど、いろいろありそうですね。

CRCになるための『三大医療資格』は看護師・薬剤師・臨床検査技師です。

あなたがすでにこれらの資格をもっていれば、CRCへの転職はそんなに難しいものではありません^^♪
こちらの記事に、CRCになる方法を詳しくまとめましたので、ぜひご覧ください。

>>SMOのCRCになる方法をわかりやすく解説!>>

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