教えて!CRCのお仕事。〜カルテスクリーニング編〜

カルテスクリーニングするCRC

この記事を書いた人】ナナコ 1978年生まれ。元看護師の現役CRCです。看護師の仕事が肌に合わず、2010年に思い切ってCRCへ転職!CRCの仕事が楽しくて人生が変わった一人。この仕事を広めるために活動中!⇨詳しいプロフィールはこちら

今日は、CRC(治験コーディネーター)の大事な仕事の一つである「カルテスクリーニング」についてご紹介します!

スクリーニングとは
ふるい分けること。多数の中から特定の条件に合うものを抽出するために選別すること。Wikipediaより

CRCが行う「カルテスクリーニング」とは、カルテの情報をもとに全ての患者さんの中から特定の条件(この場合は治験の条件)に合う患者さんを抽出し、選別することを指します。

カルテスクリーニングを『目的』で分けると次の2種類があります。

目的A)治験の実施が決まる前に、治験依頼者(製薬会社)から『治験実施施設』として選んでもらうために行うスクリーニング。(治験の対象となる候補患者が多い病院は選ばれやすいですが、候補者が少なければその可能性は下がります)

目的B)治験実施施設として選定された後(治験の実施が決まった後)、具体的な候補者を探し出すために行うスクリーニング。

このようにスクリーニングを「目的」で分けると2種類ありますが、実際にCRCがやることはだいたい同じです。

ですのでここでは、どちらの目的のスクリーニングにも共通する内容をご紹介します。

スクリーニングの流れは3段階

CRCはいつも、ざっくりと次の3段階の流れでスクリーニングを進めていきます。

<カルテスクリーニングの手順>

手順① 治験実施計画書(プロトコール)の概要について把握する(特に被験者を組み入れる基準をしっかり確認)
       ↓
手順② 病名、処方薬のレセプト情報など『コンピューターで自動的に抽出できるデータ』をもとに、候補者リストを作る
       ↓
手順③ ②で作ったリストをもとに、CRCが一人分ずつカルテを開いて、治験に組み入れるための適格性を確認する

手順①〜③の中で、CRCが最も大変なのはどこだと思いますか?

・・・答えは③です。

私たちCRCの仕事が、最も大変なのは「③患者さん一人一人のカルテを開いて確認する」部分です。②で抽出された候補者数にもよりますが、多い時には500人以上、全員のカルテを開いて確認するのに一か月近くかかることもあります!

ですので、③の労力をできるだけ減らせるように工夫できるのが『できるCRC』になるポイントだといえます。

それではみなさん。
CRCが、③の仕事を楽にするためにはどうしたらよいと思いますか・・・?

もうきっと、あなたはお分かりですね。

答えは『②で作る候補者リストを、出来る限り「細かな条件」で抽出してあらかじめ候補者を絞ったリストを作ればよい』のです。

単純に、300人の候補者リストより、100人に絞られたリストがあればCRCの労力は1/3で済むからです。

できるだけCRCの労力を減らせるように初期の情報抽出の『条件』をとことん考える
これがポイントです。

ちなみに、②のコンピューターからの自動抽出は、CRCがするのではなく、病院職員(医事課やコンピューター関係の部門)にお願いすることになります。

それでは具体的に、③の労力を減らすために、どのような考え方で②の情報抽出を行うのか、見ていきましょう。

『できるCRC』の賢いスクリーニング方法

例えばここに、子宮筋腫の試験があるとします。

治験の対象となる患者さんは、『子宮筋腫で婦人科に通院中の人で、薬剤Aと薬剤Bの両方を使用中の人』だとしますね。

すると、検索条件は次のようになります。

検索条件① 受診歴

2016年○月○日~2017年○月○日に婦人科を受診した人・・・500人

検索条件② 病名

①のうち『子宮筋腫』の病名がある人・・・200人

検索条件③ 薬剤A

②のうち、薬剤△△△を処方されている人・・・100人

検索条件④ 薬剤B

②のうち、薬剤×××を処方されている人・・・80人

検索条件⑤ 薬剤AとBの重複

条件③と④で重複した人・・・50人

このように、出来る限り詳細まで条件を指定していけばいいのです。

検索条件①のデータからカルテSCRしようとすると、CRCは500人分のカルテを開く必要があります。

しかし、検索条件②まで絞ったデータがあれば、カルテを開くのは200人分で済みますね。

さらに検索条件③まで細かく絞ったデータがあれば、CRCの労力はさらに半分の100人分のカルテを開けばよいことになります。

そしてさらにさらに、検索条件④⑤があれば、CRCは検索条件⑤で抽出された50人のカルテだけを見れば良いことになります。

検索条件①の、実に1/10になります。

このように、スクリーニングの初期段階で“試験の概要”と“選択除外基準”をきちんと把握し、自動的に抽出できる条件は、限りなく細かく設定しておくことが、CRCの負担軽減につながります。

コンピューターで自動抽出できるもの

  • 病名
  • 年齢
  • 処方歴
  • 血液検査データ など

自動抽出できないもの

  • 病名になっていない症状(お腹が痛い、気分が悪いなど)
  • レントゲンやCTなどの読影結果
  • 個人的なキャラクターや環境(仕事・家庭)

カルテスクリーニングでは、多い日は100人近いカルテを見る事になります。
急がば回れで、最初に自動抽出の条件をきちんと考えておくことで、後の作業がぐっと楽になりますよ。

皆さんがCRCになったら、ぜひとも参考にしてくださいね^^!

CRCへ転職するか、迷ってる?

CRCの仕事に興味を持っているものの、まだ決めかねている・・・という人も多いのではないでしょうか。

あなたが一番気になっているポイントはどこでしょうか?

  • お給料
  • 将来性
  • 自分がやっていけるかどうか?
  • そもそも就職できるのか?

などなど、いろいろありそうですね。

CRCになるための『三大医療資格』は看護師・薬剤師・臨床検査技師です。

あなたがすでにこれらの資格をもっていれば、CRCへの転職はそんなに難しいものではありません^^♪
こちらの記事に、CRCになる方法を詳しくまとめましたので、ぜひご覧ください。

>>SMOのCRCになる方法をわかりやすく解説!>>

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